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ごみ屋敷の現状・自治体の対応や条例の制定状況には地域差が

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2025.08.20

ごみ屋敷は日本全国にあります。多くの自治体がごみ屋敷を認知して対応に当たっていますが、法律が整備されていないこともあり、手を焼いている自治体は少なくないようです。

この記事では、令和6年度に環境省が行ったごみ屋敷に関する調査を参考に、ごみ屋敷への自治体の対応や条例の制定状況等について説明しています。社会問題化しているごみ屋敷について、もっと知っていただければ幸いです。

社会問題化するごみ屋敷・国も調査

日本全国にその存在が確認されているごみ屋敷。すでに社会問題といっていい状況で、当然のことながら国もこの問題を認識しています。これまでにごみ屋敷に関する調査は、総務省や環境省が行っているようですが、この記事では令和6年度に環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課が行った調査を基に、ごみ屋敷について説明することにしました。

調査におけるごみ屋敷の定義

調査では、ごみ屋敷を以下のように定義しています。

「居住用の建築物の敷地、集合住宅では戸別専有部分や共有部分に物品が積み上げられたり放置されたりすることにより、悪臭やネズミ、害虫の発生、災害時におけるごみの崩落のおそれ、通行上の支障、家屋の倒壊のおそれ、が発生している状況」

かんたんに言えば、ごみや物がためこまれることで、周辺住民や居住者本人を危険な状態にさらす住居のことをごみ屋敷と呼ぶようです。

ごみ屋敷がある自治体の数

全国にある1,741の自治体が調査の対象で、38.6%に当たる672の自治体が、ごみ屋敷があることを認知していると回答しています。

ちなみに、すべての都道府県にごみ屋敷は存在しています。

ごみ屋敷は通報や情報提供で認知

多くの自治体は、ごみ屋敷の存在を住民からの通報や情報提供により認知しているそうです。自治体がパトロール等の行動によりごみ屋敷を認知するケースや、ごみ屋敷に住む人の家族等からの相談、割合は少ないながらも、住人本人からの相談で認知するケースもあるようです。

ごみ屋敷に対応するための条例を制定している自治体は少ない

ごみ屋敷に対応するための条例を制定している自治体は少なく、全体の約5%しかありません。

ごみ屋敷条例の多くは、ごみ屋敷からごみを撤去するための強制力を自治体に持たせるものです。条例の制定を検討している自治体の数は多いようですが、数は少ないものの条例を廃止した自治体もあり、対応には地域差が見られるようです。

条例を制定している自治体の約半数は、人が住んでいる住居、空き家のどちらも条例の対象としていますが、どちらか一方としている自治体もあり、やはり対応には地域差が見られます。

条例を制定している自治体はごみ屋敷の住人にどんな対応をしているのか

条例を制定している自治体は、ごみ屋敷の住人にどんな対応をとっているのでしょうか。

通常、ごみ屋敷の近隣に住む住民からの通報があった場合、自治体は調査に乗り出します。調査はほぼ確実に行われると考えてよさそうですが、問題がない、もしくは軽微だった場合は、とくに次のステップのようなものはないようです。

調査により改善すべき問題があると判断された場合は、助言や指導、または支援が行われます。ここまでは比較的よく行われているようですが、もっと重い処置になるとほぼ行われていないようです。

令和6年の直近5年間のデータではありますが、勧告は13件、命令は9件、代執行は4件で、罰金が科せられたケースは1件しかありません。

条例を制定していても罰則はない自治体もある

ごみ屋敷に対応するための条例を制定していても、罰則規定がない自治体もあるようです。これは意外でした。

条例に罰則規定があれば、効力も期待できるはずです。立入調査を拒んだり、命令に従わなかったりすることをある程度防げるでしょう。

しかし、実態は異なります。

ごみ屋敷の住人の中には経済的に困窮している人も多く、問題を解決するためには、罰則ではなく支援をすることが望ましいと考える自治体が多いようです。

罰則規定があったとしても、実際に強い手段をとる場合は、法的な手続きを含む複雑なプロセスを経る必要があり、形だけのものになりかねないと考えている自治体もあるようです。

条例を制定したとしても、ごみ屋敷の問題を解決することはかんたんではありません。

条例だけでごみ屋敷問題を改善につなげることは難しい

このように、条例だけでごみ屋敷問題を改善につなげることは難しく、各自治体の担当部署も課題があることを感じているようです。その中でもっとも多いのが、ごみ屋敷の住人への指導や支援の方法です。

ごみ屋敷問題の原因は多様であり、指導や支援をするにしても、自治体の各部署が連携する必要があるのですが、その調整をすること自体がとても難しいようです。

ごみ屋敷により迷惑を被っている人は、自治体にいち早く対応してほしいと考えますが、残念ながらすぐに解決できるような問題ではありません。そのため、近隣住民の理解を得にくく、そこに対応の難しさを感じる担当者も多いようです。

長い時間と多大な労力がかかり、実際に行政代執行へと進んだケースでも、ごみの撤去費用が支払われないなどの問題も発生しており、条例があったとしても、課題は山積みになっているようです。

条例の有無にかかわらず自治体はごみ屋敷に対応

たとえば、あなたの家の近くにごみ屋敷があって、その悪臭により洗濯物を外干しできなくなってしまったとしましょう。このようなケースでは、条例の有無にかかわらず、自治体に通報や相談することができます。

通報や相談を受け付けている部署は自治体により異なりますが、もっとも多いのは「環境」を担当している部署です。これに続くのが「生活保護」や「障害者」の担当で、「消防」が担当している自治体もあるようです。

このように担当部署を見ていると、ごみ屋敷がどんな問題を引き起こす可能性があるのか、そしてどんな理由でごみ屋敷ができてしまうのか、なんとなくわかるような気がしませんか?

高齢者ごみ出し支援でごみ屋敷対策を行う自治体もある

高齢者支援策として、ごみ出し支援を行っている自治体は数多くあります。この支援策を利用してごみ屋敷対策をしている自治体もあるようです。このような自治体は全国に162市区町村あり、その中の26市区町村は、ごみ屋敷の中からごみ集積場まで実際にごみを運んだ実績があるそうです。ただ、基本的には高齢者を対象にした支援策であり、ごみ屋敷の住人が高齢者ではない場合は、これを適用しないという自治体もあるようです。

難しいことではあっても、自治体による通常の枠を越えた取り組みは、ごみ屋敷問題を解決するために必要なことではないでしょうか。

まとめ

ごみ屋敷問題に対応するための法律は整備されていないため、対応に苦慮している自治体の中には、条例を制定している自治体もあります。ただ、条例の有無にかかわらず、自治体には必ず担当部署があるので、近くの家がごみ屋敷になってしまったら、通報や相談をすることが可能です。

ごみ屋敷ができる原因はさまざまなので、自治体が支援をするにしても部署間での連携が難しいことも課題です。今後、ますます高齢化が進む日本社会では、ごみ屋敷がさらに増えていくかもしれません。ごみ屋敷問題を改善につなげるには、国を挙げた対策が必要です。