ごみ屋敷化を予防するには?自治体や周囲の人ができる対策や支援
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ごみやら何やらよくわからない物が、足の踏み場もないほどに広がり、しかも積み重ねられているごみ屋敷。ごみ屋敷は多くの自治体で問題になっています。
しかし、ごみ屋敷の住人は孤立していることが多く、そのためどうしても対応が後手、後手になってしまいます。
ただ、ごみ屋敷を取り締まるための法律はないため、自治体も対応に手を焼いているのが実情です。
この記事ではごみ屋敷化を予防する方法や、自治体や周囲の人ができる対策や支援について解説しています。
ごみ屋敷化を予防することはできるのか
ごみ屋敷化の原因はさまざまです。以前は、なんとなく変わった人がガラクタを集めているようなイメージもありましたが、高齢化、心や体の不調などが原因でごみをためこんでしまう人がいることがわかってきたのです。
ごみをためこんでしまう人は家族や友だち、そして社会から孤立していることがほとんどです。そのため、周囲が異変に気づいた頃にはごみ屋敷化しており、これを予防することはとても難しいと言わざるを得ません。
ごみ屋敷への自治体の対応
ごみ屋敷は多くの自治体に存在します。ただ、「どこに多い」などといった傾向をつかむことは難しいようです。東京都や神奈川県は人口も多いのでごみ屋敷の認知件数も多いのですが、改善している割合も多いようです。
令和6年度に環境省再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課が発表した調査報告書を見ると、ごみ屋敷の認知件数が多い都道府県は、改善している割合も多い傾向があるようです。高知県は規模としては東京都や神奈川県よりはるかに小さい県ですが、これらと同等のごみ屋敷を認知し、改善の割合では劣りますが、それでも4割ほど改善につなげています。
ただ、その高知県には現在のところ、ごみ屋敷対策の条例を制定している自治体はありません。これを考えると「条例=対策」とはならないようです。
条例はできてしまったごみ屋敷対策
条例はあくまで、できてしまったごみ屋敷への対策です。
ごみ屋敷はほとんどの場合、近隣に住む人の通報や情報提供により発覚します。条例があれば、自治体の権限により強い対応をとることが可能になりますが、そこまでの対応をとるためには長い時間がかかります。
条例のない自治体においても、自治体の職員や民生委員、ケアマネジャーらが協力して対応に当たっています。条例がなくても、孤立しがちな地域住民に目の届くようなケアがなされていれば、ごみ屋敷を少なくするための対策として一定の効果があるようです。
ただ、条例がある自治体では、ごみ屋敷の住人への指導や支援が体系化されているため、この点では条例のない自治体よりは対応がスムーズなのかもしれません。先に説明したようにごみ屋敷の住民は医療や経済的な支援を必要としているケースが多いので、対応が体系化されているということはとても意味のあることです。
ごみ屋敷化を防ぐためにできること
社会から孤立しがちな人が住む家や部屋がごみ屋敷になることを防ぐためには、自治体や周囲の人が協力することがとても重要です。
住人とコミュニケーションをとる
孤立しがちな住人とコミュニケーションをとる努力をすることで、ごみ屋敷ができることをある程度防げます。自治体と協力してこうした住人を訪問して状況を把握し、適切な支援を行います。
定期的に訪問すれば、たとえば、「病状が悪くなっている」「ごみ出しが難しくなっている」「経済的に困窮している」などの状況を把握できます。
相談・通報
ごみ屋敷とまではいかなくても、たとえば、悪臭が発生しているなどの異常を感じた場合、自治体や警察・消防等に相談や通報をすることで状況を改善できる可能性があります。
自治体に相談する場合、「市民相談室」「生活課」「保健福祉課」などの窓口が対応してくれるはずです。自治体により担当部署は異なるので、わからない場合はお住まいの自治体に直接たずねてみてください。
賃貸物件の場合は管理会社や大家さんに連絡をとってもいいでしょう。
家族や友だちの住む家がごみ屋敷になりそうだったら
家族や友だちが心や体の不調を抱えてごみをためこんでしまったら、できるだけ早く衛生的な環境を取り戻せるよう、支援の手を差し伸べましょう。
このような状態の家族や友だちに「片付けろ」と言ってもそれはなかなか難しい話です。専門の業者を呼び、ごみや不要な物をまとめて処分してリセットするのが効果的です。
もちろん、そうかんたんにはいかないこともありますが、根気よく説得することが、本人にとっても周囲の人にとっても大切なことです。
まとめ
ごみ屋敷対策の条例は、あくまでできてしまったごみ屋敷への対策です。条例には強制力があるため一定の効果はありますが、ごみ屋敷化を予防することは難しいのが実情です。
ごみ屋敷化を予防するには、自治体や周囲にいる人たちが協力し、定期的に住人とコミュニケーションをとることで状況を把握し、適切な支援を行うことが重要です。
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